湯っ子

バッド・ティーチャーの湯っ子のレビュー・感想・評価

バッド・ティーチャー(2011年製作の映画)
4.0
な〜んにも考えないで観られる映画かなっと思って観たんだけど、いろいろ引っかかる点があって2回観てしまった。もっと政治経済や社会問題に詳しい人なら、たくさんの暗喩に気づけそう。
制作は2011年、オバマ大統領の時代。遠足に行くのはリンカーン記念館だったり、思わせぶりに「2008年」ってセリフが出てきたり。リーマンショックのことを指してる?
そんな時代背景で描かれる主人公を演じるキャメロン・ディアスはゴージャスな金髪・ピタピタドレス・ルブタンのヒールで登校し、酒・タバコ・大麻全てたしなむバッド・ティーチャー。個人主義で拝金主義で、目的のためには手段を選ばず、それを実行する能力もある。全て自分の有利になるための行動ではあるけれども、それが生徒たちにも恩恵をもたらしたり、慕ってくる弱っちい生徒を彼女ならではのやり方で助けたり。なんかいわゆる「強いアメリカ」みたい。オバマ大統領のもと、こういう「気分」が高まって、のちのトランプ大統領選出に至ったのかななんて、浅学ながら考えてしまいました。


追記:強いアメリカを描きながらも鑑賞後イヤな感じがしないのは、やっぱり主人公が女性ってことと、ラブコメ的には正しい決着ってことと、キャメロンが狙っていたジャスティンが、薄っぺらいリベラル主義者で、実は今で言う「有害な男らしさ」の持ち主だったりして、そんな彼を選ばないってこともあるのかなぁと思いました。
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