いち麦

インフィニティ・プールのいち麦のレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.0
罪をつぐなうためのクローン作成とその処刑のはずが、本来の目的から逸脱していく狂気の世界。クローンだから幾らでも作れる…何度でも繰り返される…悪夢の無限ループ。それを半ば中毒症のように自分から求める主人公ジェームズ。こちらは正しく悪夢を見続けているような不快な映像で見応えたっぷり。
発端ともなる大元として“インフィニティ・プール”が存在していたとはね。そのセンスが何とも如何わしい。物語は、タチの悪い者どもがジェームズを謂わばその“インフィニティ・プール”のような世界に投げ込み、眺め興じる構図ということか。
今作でのミア・ゴスの怖さはスリラー寄りで今までになく新鮮に感じられた。成長時間を無視したクローン作成はナンセンスだが、その作成工程に一瞬でもいいのでもう2、3カット見たかった気もする。
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