このレビューはネタバレを含みます
死刑になる罪を犯しても、自分のクローンを作って、それを死刑にすれば無罪放免!
まずは、ブッ飛んでトチ狂いの設定の妙味に拍手!
とはいえ設定が良くても、肝心なのは内容です。その点も充分な見応えで満足です!
クローンが出てくる物語で、真っ先に思い浮かぶ、当事者はクローンかオリジナルか問題。
すぐに疑問の提示が掲げられ、この問題がオチではない事が早めに判明できて、良かったです!
そのまま観客の予想を一歩二歩も先んじて歩み、「犬」と呼ばれるモンスターと対峙するところで最高潮を迎えます!
この場面、厭で悪趣味で気持ちが悪かったです!
そんな嫌悪感や悪趣味な要素がたっぷりなんですけれど。
クローンを作成する場面や、薬をキメて行う情事の場面など、トリッキーで色彩豊かな映像が混在するのが憎い!
むこうから此方を誘惑する様な、甘く美しい恐ろしさが別にあります!
そしてミア・ゴス女史の体当たりな演技!
「x」「パール」を経て、彼女のポテンシャルは嫌というほど思い知らされています!
道中でのブチギレた表現や、甘く誘惑するシーン、何よりラストでの抱擁が深く心に刺さりました!
エンドでは具体的な事は明かされません。
帰国したのは実はクローン達で、オリジナルは残留。
後から主人公と再会するのかなと、個人的な妄想解釈に想いを馳せます。
そんな事を考えていると画面が暗転し、エンドクレジットが現れます。
本作の趣旨を体現したかのような表現に、吐き気がしました!
最高にしてやられた気分で、自分的にはここが、物語の大オチでした!