叡福寺清子

サバイブ 極限死闘の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

サバイブ 極限死闘(2022年製作の映画)
3.0
また随分と頭の悪いサブタイトルを付けたもんですね.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.
幼少期に父親のヘッドショット自殺を目撃して以来,死に取り憑かれ自殺念慮を伴うPTSDに苦しむジェーンさん.心に傷を負った若者の施設を不安を抱えつつもなんとか退所し,帰省のため搭乗した飛行機が大雪山の頂上に墜落.自身ともう一人の生存者ポールと共に下山を試みますが・・・

本作タイトル『サバイブ』はもちろん雪山からの生き残りの意味もありますが,むしろ死を望む自身の心からの生存戦争という側面がメインでございます.なので,雪山行軍描写は結構ゆるゆる(撮影は大変そうでしたけど).一日の踏破距離や食糧問題が?だったり,雪崩直撃なのにほとんど移動していないそして浅い所に埋没してるジェーンさんだったり,群れでの行動が基本なはずの狼が単独だったり(まぁこれは群れから追放された個体って解釈もありますが),ダチョウさんのコントかよって感じで崖から落ちるポールさん等々.とにかく雪山シーンは大目に見るしかございません・・・ってこれ失敗したQuibiのドラマだったんですか.それで,なんですね.ジェーンと同じように心に傷を負った若者に共感してもらいたくって,モノローグが面倒くさかったんですね.呼延灼理解しました.でも,本作ってPTSDなんてホントに命の危機の前では大したことねぇよなって見方もできて,それはそれで問題なんじゃないかしら.

なお,雪山からの生還ドラマをお望みでしたら,ジョシュ・ハートネットさんの『マイナス21℃』をお勧めします.「冬の八甲田は地獄だ」を骨の髄まで叩き込んでいただけます.