樺太柳葉魚

丘の上の本屋さんの樺太柳葉魚のレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
4.4
はっきりした描写は無かったけど、移民の子で肌が浅黒いエシエンは学校で差別されてるんじゃないのかな?イタリアも人種差別がかなり酷いらしい。差別描写を省いても伝わるレベルなのかも。毎朝ゴミ箱から拾った本を売りに来る青年も移民のようだし。リベロは差別されている人々を勇気づけようとしているのかもしれない。青年のガラクタみたいな本も買い取っているのは、いつか成功者として故郷へ帰ることを夢見ている彼を支援しているからなのかな。多くを語らない映画だから、勝手に解釈するしかない。リベロ自身のプライベートも謎。独身か、それとも若いうちに別れたのか。意外と自宅に帰ったら、めちゃくちゃおっかない奥さんと生意気な子どもが数人いたりするのかもしれない。古書店だけが安息の地。青年が持ち込んだ古い日記をずっと読んでいたけど、あの日記に何を感じていたのだろう。それにしても1957年の日記が今までどこに置いてあったのか。書いた人物は渡米を決意したけど、日記は置いてったの?その日記を誰が保管し、誰が捨てたのか。この映画、謎が多すぎる。日記を読む時だけオルゴールを鳴らすのが好き。三年位経ったらまた見直して、自分がどう感じるか、感想がどう変化したか知りたい。本について、一度目は理解する為。二度目は考える為って言ってたけど映画もそうだと思う。
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