きりん

丘の上の本屋さんのきりんのレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
3.9
舞台はイタリア🇮🇹丘の上にある小さな古書店。店主リベロ(レモ・ジローネ)は店の外で漫画本を眺める移民の少年エシエン(ディディー・ローレンツ・チュンブ)と出会い、本を通して交流するようになる話📕✨

好奇心旺盛なエシエンに次々と本を貸しては読書の素晴らしさに目覚めていく展開がとても良かった。ただ貸すのではなくて必ずどこが好きだったか聞くリベロの導き方は現代の教育にも使えるんじゃないかと思う。

「ミッキーマウス」の漫画
「ピノッキオの冒険」
「イソップ寓話」
「星の王子さま」
「白鯨」etc

最初は漫画から始まり徐々に次のステップへと上がるような本のチョイスとそれに纏わる感想はエシエンの人生における学びや成長に繋がっている。もしかしたらリベロも同じように少年時代に本に夢中になった自分と重ねているのかもしれない。

本を読んで最初に感じたことが全てではないと言うように読み解くことで深い学びがある。これは読書に関わらず何事にも正解はひとつじゃなく様々な意見や考えがあることにも通ずるような気がする。

決して大きな起伏がある訳ではないけど訪れるお客さんとの出会い、少年との交流はほっこりさせられる。
隣のカフェ店員ニコラ(コラード・フォーチューナ)もまたちょっとしたスパイスになってるのも良き✨

最後は涙なくしては観れない展開に未来ある少年の姿を想像しながら映画館を後にした。
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