おでい

呪餐 悪魔の奴隷のおでいのレビュー・感想・評価

呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)
2.4
インドネシアで歴代興収3位のメガヒット作品。

呪術、悪魔、怨念、カルト、この辺りを扱うホラー作品って、その国や土地の宗教観やしきたり、風習、どんな神様を信仰しているのかなどによって解釈も、恐怖度や理解度も変わってくるかと思います。
今回の作品はその典型かなと。
いくらインドネシアでメガヒットとは言うものの、世界共通でウケるわけじゃないんだなと痛感しました。

とにかく全編通して陰鬱で、出てくる人物も何か訳アリの人達ばかり。
雰囲気作りとかBGMは死霊館を感じさせるかなと思いました。
そういう部分では期待値は上がるものの、中盤からはひたすら暗い画面が続き、光のオンオフで異変が起こるっていうのがパターン化してしまい、なにか来る恐怖感よりも、また何か来るんでしょ的なマンネリ感の方が強かった。

特にラストシーンでは見たい部分が読み取れない程の明滅で、ストレスしか感じず、1番良いはずのシーンが意味不明なままになってしまっています。

また全体的なストーリー展開も分かりづらく、気がつけば次のシーンに移ってなんかしてるけど、何してるか分からないの連続でした。

主人公たちの死に様もよく見えないので、何がどうなってるかよく分からないし、せっかくお化け出てたりしても、80年代レベルで一瞬しか映してくれないので、怖いとかいうよりも、今の何?もっと見せて感の方が強かった。

作風としては、光と影をテーマとしたかったのだと思いますが、あまりにも影の要素が強すぎたために、下手したら後半居眠りしてしまう人多いかもしれないし、やっぱり、光あっての影、見せると見にくいのメリハリはつけて欲しかったなと思います。

あとやっぱりタイトル悪いよね。
日本としても、もしかしたら独立して見て欲しかったと思うんだけど、原題出た時に2って見た瞬間落胆するよね。

で、1作目とされているのは、はるか昔の1987年の作品で、その名も「夜霧のジョギジョギモンスター」(原題はPENGABDI SETAN/SATAN'S SLEEP)のリメイク「悪魔の奴隷」で2017年の作品。
今作はこれの4年後という設定が描かれています。
ということで、実質は3作目に当たるわけです。

1作目はネットでもあまり情報は無いし、上映前に復習で見れるほど知名度も配信先も無いしという感じで、大人の事情でこれが独立された1本に思えるよう細工されたのかなって感じました。

そのせいで分かりづらかった部分も多いので、日本においては、ある意味不遇な扱いを受けたメガヒット作品かもしれないですね。