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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

4.0
ずっと楽しみにしていた2作目。アクションの面白さより、キャラクターの魅力に重点を置いていたような気がする。阪元監督の殺し屋作品はほかに『最強殺し屋伝説国岡』シリーズがあるけど、あちらの国岡さんは殺しはピカイチ、暮らしはごくごく普通。『ベイビーわるきゅーれ』のまひろとちさとは殺しはピカイチ、暮らしはイマイチどころかだいぶ限界なところにある。だからある意味ではまひろとちさとは私生活でさえ普通(稼ぎや人付き合いなどが安定した生活、という意味での普通)ではないから、あきらかにコントのようなふざけた笑いの取り方も許容できる。でもやっぱり商店街の松本さん(下町のお爺ちゃんなのに若者カルチャーでマウントとってくる)とかめちゃくちゃ笑ったし、なにより今回素晴らしかったのは坂田さんですよ。前作では「こういうねちねちした人いるわ〜😂」だけだった掃除屋さん🧹が、あんなに愛おしいキャラになるなんて!なにかと余計だけど、人に構ってもらうのが好きなの、可愛すぎる。うざかわ!!ぎゃうな宮内さんも良いキャラだった。一見清楚な見た目だけどメンタルがぎゃうなの、完全に令和のぎゃうすぎて、こういうところが阪元監督の良さ。おっさんが若者を撮ったのではなく、同年代が撮った若者だってちゃんと分かる。今回のライバル役である兄弟もただの悪いやつではなくて、小さな夢のためにデッカくてかなりヤバいこと起こそうとしてるのが馬鹿馬鹿しくも泣ける。あとは、まひろとちさとが喧嘩しつつもいちゃついていて可愛いです。2人の部屋が前作に比べてだいぶとっ散らかっていて面白いのだけど、それ以上に、前作と今作の間の画面に映らなかった時間で育まれた2人の関係性をこの部屋で表してるのとても好き。そういえばちさとがY2Kファッションなのも、今だな。改めて時代性がかなり反映されている作品だ。






────以下ネタバレ?────




アクションは最初の銀行強盗が一番良かった。遊ぶように軽やかに瞬殺していくのだけど、ギミックが多くて面白いし、2人らしい戦い方でかっこいい。ラストのアクションシーンは、兄弟の強さがいかほどか微妙に分かりづらかったために、まひろ&ちさとが弱くなったように見えてしまう…(生活困窮によるスタミナ不足という理由もつくけど)。こんなにも愛すべき存在として描かれた兄弟をどうやってオチつけるかな……と思ったけど、やっぱりそうでなきゃ!!の終わり方でそこはとても良かった。
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