ワンコ

極限境界線 救出までの18日間のワンコのレビュー・感想・評価

4.1
【日本だったら】

映画は、事件の発生の年を一年前倒しして、フィクション感を出そうとしたらしい。あまり意味がないように思う。

人質の解放についても、もう少し回数は段階的に分けられたらしいけれども、宣教活動も含めて概ねアウトラインは事件と一致しているとのことだった。

あとは、脚色と巷で言われていた憶測をストーリーに落とし込んだんだと思う。

その脚色を本当だと思い込む人が多いので冒頭のテロップなんだと思う。

(以下ネタバレ)

韓国政府は、前代未聞のタリバンとの直接交渉は認めているが、人質解放後に韓国軍がアフガニスタンから撤退したことは、事件との関連性は認めていない。
身代金の支払いも含めて、具体性に踏み込んだ公のコメントもない。

韓国でも自己責任の議論がネットを中心に噴出して大変だったらしい。
特に、宣教活動が目的だったのが韓国市民の怒りを買って、誹謗中傷を超えるような”〇ね”などの書き込みもあったようだ。

日本では、戦地に赴いて状況を取材する国際ジャーナリストへの誹謗中傷もあるくらいだから、宣教活動なんていったら、どんなにネットが荒れることかと考えたりする。

僕だって、イスラム教国の、あの時代、それもタリバンが跳梁跋扈する地にキリスト教を布教するってのは、如何なものかと考えるし、きっと怒りも買うだろうなとは思うけれども、普段仕事をしていても、”えっ!?”みたいな予測不能な行動をする人は必ずいて、ひっくり返りそうになることはあるし、世の中はそんなもんだと思っている方が失望する程度は小さくて良い気がする。

ところで、バイデン外交の最大の失敗は、アフガニスタンからの撤退だとおもう。タリバン政権により、女性差別が当たり前となり、外国からの援助も激減し、外国に移住できる人はまだ良いが、難民になる人も増えている。
バイデン大統領は、トランプの孤立主義をちょっと模倣したのかもしれないが、トランプ政権の4年間でアメリカ外交のクオリティが落ちたことは間違いない気がする。

日本映画も、これくらい頑張れば良いのにと思う。
ワンコ

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