ワンコ

トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代のワンコのレビュー・感想・評価

5.0
【駆け抜ける】

加藤和彦さんを偲ぶ映画がいつか作られるだろうなとは思っていたが、これは幸宏さんが生前企画されたものらしい。

”幸宏さん約束は果たしましたよ”とパンフレットに小さく書いてあった。

泣けた。

それに、映画だって何だかんだでずっと客観的ではいられなくて、最後の坂本美雨さんとsorayaの石川さんのリードヴォーカルで唄う「あの素晴らしい愛をもう一度」で目頭が熱くなってしまった。ちなみにドラムは幸宏さんの録音を使っているみたい。

ブリティッシュロックが結構好きだった僕は、なかでもグラム・ロックがお気に入りで、でも、そんな時、アメリカのトーキングヘッズのプログレッシブ・ロックを聴いて、かっけーと思っていたところ、日本のミカ・バンドもプログレッシブじゃんみたいに好きになったのを思い出す。とにかくスタイリッシュでかっこよかった。音楽への興味は途切れなく変化し広がり続くところがいいんだよね。

加藤和彦さんというと、幼稚園にあがる前によく遊んでくれた従弟妹のお兄ちゃんやお姉ちゃんが、僕に「おらは死んじまっただ~(「帰ってきた酔っ払い」)」を何度も聴かせてくれて、意味など関係なく、僕がよく口ずさんでいたら、ばあちゃんにしかめっ面で、あまりいい歌じゃないと言われたことを思い出す。

まあ、お寺の家系なので当たり前と言えば当たり前なのだけれども、よく考えたら、ばあちゃんが「ん!?」と反応していたのは「天国良いとこ一度はおいで~、”酒は美味いし姉ちゃんはきれいだ”」のところだったような気がする。

幼稚園に上がる前とか幼稚園の頃だから意味を考えていなかったとしても当たり前かと今はちょっと思う。ただ。、言わせてもらえば、僕はそこではなく「おらは死んじまった」のサビと「ファーファーファファー」のところが歌いたいだけだったのだ。

あとね、「帰ってきた酔っ払い」はいきなりサビで始まるのよ。

今の若者が好きなイントロ少なめ、サビから始まるJPOPに通じるよね。

加藤和彦さんのことを考えると、自由人であったことで、自由が逆にルールみたいになって、それが息苦しくなってしまったんじゃないかって亡くなられた当時考えていたことも思い出した。

アーティストであることは本当に大変なことだと思う。

多分、皆さんの耳に残っている曲がいっぱいあるはずなので加藤和彦さんの曲を聴いてみてください。
加藤和彦さんの亡くなれた後にダイジェストのベスト盤も出ているように思うので......。

合掌

坂本龍一さんと幸宏さんとセッションやってるよね。
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