罪深き少年たちのsasami99のネタバレレビュー・内容・結末

韓国で実際に起きた「サムレナラスーパー事件」を元にした映画。1999年2月6日早朝、全羅北道・完州群の参礼邑のスーパーに3人組の強盗が押し入り、70代のお年寄りを殺害した。警察は当時、19～20歳の男性3人を犯人として立件したが、強圧的な捜査によって虚偽の自白をさせられた冤罪事件だった。懲役3～6年を宣告され、服役。その後3人は弁護士の助けを借り再審請求。無罪を宣告された。裁判の過程では、真犯人が現れて罪を告白した。

…という実話を、かなり忠実に再現した作品。粘り強く捜査を続けた信念の警察官をソル・ギョングが演じていて、力強さの中にある燻し銀の魅力に引き込まれる。真犯人役のソ・イングクは、『オオカミ狩り』の凡庸な演技よかずっとこちらの方がいい。だがそんな俳優陣の力演をかき消すほど、ディレクションが壊滅的に古くさい。法廷で悪事を暴かれて忌々しげな表情を作る悪徳権力者なんて久々見た。