このレビューはネタバレを含みます
フローレンス・ピュー目当てで鑑賞したヒューマンドラマ。
死亡事故の加害者として堕ちていくお芝居がすばらしいのはもちろんだけど、
終わってみれば、モーガン・フリーマン演じるダニエルの愛のおおきさにぐっときている。
終盤、彼はアリーに対して「二人の死は君のせいだ、受け止めろ!」とはじめて感情をあらわにする。
だけどこれはあくまでもアリーの非を指摘しているのであって、彼女自身の人格を否定したり、突っぱねたりしているわけではない。
だからこそダニエルは、自転車にまたがるアリーのミニチュアを、自分の人生を再現したジオラマの世界に登場させた。
ネイサンのそばに居てやってほしいと、赦しの手紙を書き残した。
これがわたしのあたまのなかで、原題の『A Good Person』を復唱せずにはいられなかったシーン。
ダニエルはもともとアルコール依存症で、息子に暴力をふるった過去があるなど、べつに聖人君子ではない。
でも過去のあやまちを認めた人だからこそ、言葉に乗せられる熱量があるんだと思った。