汽笛の音で目を覚ます

ファンタズムの汽笛の音で目を覚ますのレビュー・感想・評価

ファンタズム(1979年製作の映画)
3.4
ドン・コスカレリ監督の代表作であり、ファンタジーカルトホラー『ファンタズム』シリーズの1作目。コスカレリは監督だけでなく脚本や編集まで務めていて、これを撮ったのは25歳の時というのだから驚き。

全体を通して低予算ながらもオリジナリティのある演出で、なかなかの見応えだった。とくに、このシリーズの代名詞のような空飛ぶ銀色の殺人球体のアイディアは今見ても普通に面白い。B級ホラーとしてこれだけで1本撮ってもいいぐらい。

ストーリー的にも、親のいない兄弟同士の絆や、古典的で分かりやすい不気味さとラスボス感を両立させたトールマンの存在は、キャッチーさと見やすさに一役買っていたように思う。

とはいえ、展開は支離滅裂で、物語りの整合性はわりとどうでもいい作り。低予算ホラーにありがちな強引さのある幕引きではあるので、ホラー好きと言えど、好みは分かれそう。