ファンタズムの作品情報・感想・評価

「ファンタズム」に投稿された感想・評価

popo

popoの感想・評価

3.8
空飛ぶ殺人銀球が人を追いかけてくる怪異な映像に満ちたホラーファンタジー。アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞受賞作を受賞した作品。
地獄を思わせるような
赤い霧の中を蠢く人達や銀玉など
意味があるようでないのか
ないようであるのか。
よく分かんないけどインパクトだけはある。
見せ場は、銀の玉がブーンと飛んで人を追っかける所。カルト映画。どう説明していいか難しい作品。当時、見る前の心境を語ると、怖そうだけど面白そう。結果、全く、そんなことは何もなかったが。
これは、ホラー映画ではなくファンタジー冒険映画だ。
アンガス・スクリムの演技は一級品。
空飛ぶ銀球シルバースフィアも独創的で刺激的だ。
子どもの頃に観たホラー。銀の玉がおでこに刺さるシーンしか覚えていない。もう1度ちゃんと観たい。と、思ったら最新作がまもなくレンタル!まとめて観たい。
ホラーというよりファンタジーの気色悪いの
兄離れにもたつく弟にハードな試練。
エロい女が、ドワーフが、怪力大男が、まっすぐ飛んでくる銀の玉が、次々に襲いかかってくる。
とにかくチープに陥りそうな物語を、コスカレリによる独創(独走)的イメージ表現と、闇の暗さ及び静けさのsure shotによって、本作を特別なモノにしている。
闇夜に浮かぶ白い家の禍々しき生命性と、真っ赤な異界の絶望感が素晴らしい。

失った大事な人間と協力して何かに立ち向かってるという夢は自分もたまに見る...
Haman

Hamanの感想・評価

3.0
頭に刺さる銀の玉。恐怖イメージの見本市。小僧という趣ある三人称単数。
絶望的にさびれた町には希望が見えず閉塞感で気が滅入る。両親を亡くし2人きりの兄弟にも若者らしい活気がなく、親友の死、墓地、葬儀屋など死がつきまとう。
ミニマルな曲が益々不気味さと寂しさを募らせる。
小人さんや飛んで人の頭蓋骨に穴を開ける銀の玉に殺されたりするファンタジックなホラーなのだが不思議な魅力がある作品だった。
ナイトメアホラーのパイオニア!少年が抱く思春期特有の不安感や、たった一人の兄に懐き離れないナイーブな寂しさと「死ぬとどうなるのか?」と誰もが感じたことのある恐怖を彼のイメージする怪異ヴィジュアルが紙芝居のように展開する脈略のなさはまるで悪夢を思わせ、観客ライドオンな異空間トリップ系の大傑作!

への字口でマイクを付け狙う葬儀屋トールマンの威圧感と、銀の鉄球からナイフが飛び出し額にドリルで穴を開け脳味噌を吸い出すこんなの誰も思い付かない突飛なアイデアはドン・コスカレリ監督自らが見た夢を映像化したものだと言うのだからなんと想像力豊かな人なんだろうw
両親に資金を出してもらい好き放題に映画を撮っていた彼だけど、ファンタズムに命を懸けライフワークになってしまったのは、成功と取るか呪縛と取るか…。

もの悲しい旋律のメインテーマ。ホラー映画サントラの中でも屈指の名曲であり、兄弟愛と親友レジーに見守られて危機を回避するマイクの心を表しているような美しく哀愁を漂わせる。このテーマ曲を初めて聴いた監督が「この音楽なら映画の成功は間違いない!」と自信を持ったと言うのだから故フレッド・マイローに感謝せずにはいられない。

冷たく無機質な霊廟。音叉をヒントにした異空間の扉が開く二本の鉄の棒。アイデアが常人離れしていて感服する!スペースゲートが再起動するときのミュ~ンと鳴るサウンドが大好き!それと地獄の唸りの如く響く重低音。この作品と出合った頃、テレビの音量を最大にして部屋全体をビリビリさせたのも良い思い出です。ビジュラマの正体は試写会で上映中に頭巾を被ったスタッフが客を驚かすギミックだったらしいけど、消防法に抵触するので一般公開では陽の目を見なかったトホホな仕掛け。ビジュラマサウンドも単に4chステレオだったみたいですが、こういう最もらしいネーミングで宣伝されると俄然観たくなりますよね(笑)

黒いクーダのかっこ良さ!サンルーフからショットガンをぶっ放すジョディに惚れる!そしてぶつかりそうなくらいの速度で駐車する行き着けの酒場は「スナック砂丘」だよ。この場末感が堪らないです!ハンマーで足を叩かれるジョディの変顔はいつも笑っちゃうし、マイクお手製のハンマー爆弾も影響受けてホントに出来るのかな?とずっとずっと考えていた中学時代w

今回、J.J.エイブラムス監修のもとで製作された4Kリマスター版を劇場で見ることができ感無量でした!シルバースフィアが右から左へ移動する音の分離感や白い部屋の重低音は足元にビンビン伝わる大迫力サウンド。冒頭でトールマンがトミーの棺桶を持ち上げる場面で大雨が降っているのに初めて気付きました。というか、それくらい映像がシャープになっていて新たな発見、見えなかったディティールがこれでもか!と確認出来る最高のレストア版。公開当時には入っていた配給会社アブコエンバシー(倒産)のオープニングロゴも味わい深いです。

悪夢と死への恐怖心、兄と惜別しなくてはならないのか?などマイクが抱える不安が奇しくも映像として彩りを与える結果となり、トールマンはホラー界のアイコンとして確立された。トールマンを演じた実際は温和な伯父さんアンガス・スクリムの右目ウィンクな顔芸と「ボーイ!」の台詞一生忘れません。アンガスさんに捧ぐ…。

【2017年8月5日(土)】
新宿シネマカリテで鑑賞。
~カリコレ2017出品作品~
※初見は1990年にレンタルビデオで。
「小僧〜」しか覚えてない。カナザワ映画祭で観たんだけど怖すぎてスクリーン前でやってる小演出にまったく気付かず後で友達に教えてもらって驚いた。