アカウミガメ

ファンタズムのアカウミガメのネタバレレビュー・内容・結末

ファンタズム(1979年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2020 8.26 23/123 unext

マイクの部屋とトールマンは説明でいっぱい。

机の上にホーガンのGiant's Star(このタイトル!)そっくりの小説が置いてありました。
そして、マイクの頭の中に棲んでいるお兄ちゃん(だったということはラストまで伏せられていますが)はハン・ソロそっくり。写真で抱いてたマルチーズはチューイかな。いずれも'77年の作品なので作中時系列を考慮するとマイクが家族を失った時期にあたるはず。他にもいろいろオマージュだらけで答え合わせを教えてほしくなります。

孤独な子どもが愛するひとたちを相次いで亡くしたショックから心を守るために作ったイメージが「トールマン」という送り人なんだと思います。過酷な現実を物語に置き換えて克服しようとするというのは物語の原初的な動機なのではないでしょうか。トールマンはそうそう消えてくれないだろうなあ。

面白いのはトールマンがしばしば女性の姿をとるところ。マイクの中性的なジェンダー表現や兄&レジーとの関係性の描写(なんか構図が兄弟や友人というより恋人っぽいし女性が極端に他者的にしか出てこない映画でした)から子どもが二次成長期にかかえるジェンダー/セクシュアリティに関する違和のようなものも描いているのかなと思いました。マイクを性的マイノリティ性を持ったキャラクターと解釈することもできるかもしれません。

おもしろかったです。