このレビューはネタバレを含みます
人間社会と環境との関係に強い危機感を抱かせる作品。
この世界では腐海(分解者)が大地の汚れ(有機物、もっと言うとゴミや有害物質)を瘴気ときれいな砂に変えている。一面的に見れば腐海は毒ガスを放つ有害なものであるが、これをなくしてしまうと大地は人の住めない環境になってしまう。劇中では明確な答えはない(原作未読)が、人間が腐海との共存を目指すという結論だと思う。
これは現実の人間社会における、ゴミの増加や有害生物の駆除による生態系への影響などの問題とよく似ている。近年ではたびたび話題にのぼる内容だが、当時ではかなり先進的な考え方だと思う。