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クラークス2/バーガーショップ戦記の一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
ケヴィン・スミス監督作。

大のアメコミオタクとして知られるケヴィン・スミスが1994年に撮った日常系コメディの傑作『クラークス』の12年越しの続編で、本作はスミスが独自展開するクロスオーバーシリーズ「ヴュー・アスキューニバース」の第6作目となります。

前作で舞台となったコンビニが全焼するという予想外の冒頭で始まる続編で、今回はコンビニが焼けて働けなくなった前作の主人公コンビ:ダンテ&ランダルが新たな就職先であるニュージャージーのハンバーガーショップで騒動を繰り広げていく様子を描いた“日常コメディ”の痛快作となっています。

コンビニからバーガー店に舞台を移してはいますが、描かれる内容自体は前作と同パターンです。バーガーショップで働き始めたボンクラコンビを中心に巻き起こる騒動をオフビートに描いた作品で、婚約者と女店長との狭間で揺れるダンテの恋のゆくえを軸に、妄想体質の童貞店員や変な客たちを巻き込んだおバカな珍騒動が取り留めもなく描写されていきます。

ケヴィン・スミスお気に入りの下ネタ&映画ネタ&集団ミュージカルが愉しい作品で、特に『スター・ウォーズ』vs『ロード・オブ・ザ・リング』論争はスミス監督の映画趣味が色濃く反映されていますし、人種差別ネタや獣姦ネタといった危ういネタもしっかり仕込まれています。また、シリーズを通じた名物キャラであるジェイ&サイレント・ボブも脇役として完璧な存在感を放っていて、巨大なラジカセでノリノリご機嫌な腐れ縁コンビの他愛ない時間が物語とは無関係に挿み込まれています。

蛇足)
商品の牛乳を熱心に吟味する珍客との遭遇は前作のオマージュです(前作では“卵”でした)。
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