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切り裂き魔ゴーレムの一人旅のレビュー・感想・評価

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)
4.0
フアン・カルロス・メディナ監督作。

イギリスの作家:ピーター・アクロイドによる1994年発表の犯罪小説をフアン・カルロス・メディナが映像化したミステリー映画で、名優ビル・ナイが殺人事件の謎を追う主人公を力演します。

ヴィクトリア女王治世下の19世紀後半のロンドンを舞台に、連続猟奇殺人事件の真相解明に挑む警部補:ジョンの奮闘を描いた“猟奇殺人ミステリー”で、事件の容疑者と認めた複数の人物の身辺調査を積み重ねていきながら事件の核心へと接近していく主人公の地道な捜査のゆくえを、容疑者の一人である夫を毒殺した容疑がかけられた舞台女優のヒロイン:リジーとの関わりを軸に描き出しています。

予断を許さない二転三転の展開とショッキングな結末に唸らされる正統派の殺人推理ミステリーで、霧が立ち込めたロンドン市街の陰鬱な情景が未解決事件の猟奇性と相まって雰囲気が良く出ていますし、ヒロインの舞台女優が出演する大衆演劇の様子も楽屋等のバックステージを含め19世紀ロンドンのそれを再現しています。

主演のビル・ナイが猟奇事件に挑む警部補を始終抑えた表情&口調で力演していますし、夫殺しの容疑をかけられた舞台女優に扮した英国の若手女優オリヴィア・クックの迫真の演技も見所となっています。
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