SUKEZO

原点のSUKEZOのネタバレレビュー・内容・結末

原点(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

車の中でおばちゃんがフォリナーの "I Want to Know What Love Is" 歌い出した時には出オチかと思ったw


考察系作品だと思うので一応ネタバレ設定しておく。

「愛とは何かを知りたい」は本編と全く関係ない訳ではなかった。
むしろこれが「原点」なのか?と、この後このタイトルが何処から来ているのかをずっと考えながら視聴した。

荒野のガソリンスタンドを舞台にまるでアルプスの少女ハイジのように連れてこられた青年が巻き込まれる一連の騒動。
内容を簡単に言えば売春婦たちのまとめ役が密猟で金を稼ごうとして失敗し内輪もめで自滅。事情を知ってしまった青年とガソスタで働いていた障害者のゾーリの扱いを元締めがどうするのか。青年と売春婦の間に芽生えてしまった恋の行方は?
よくありがちな展開なのだが、所々にちりばめられている面白要素がじわって最後まで見れる。
いつかタバコの火でガス爆発起こして全員終わりという結末希望。

ゾーリの話す「犬の話」は自分の過去話ではないかと思われるのは、話の中に出てくるアーノルドの墓がある事、最後に犬が出てくる事、そしてゾーリの足に障害がある事。
ミシという手下の男が最後に下半身不随になり車椅子でガソスタで働くことになる。これはまるでゾーリではないか。
ひょっとして原点回帰を意味しているのかと考えた。

しっかし主人公のラシが女運悪すぎて可哀そう。
最初は額を切られて、次は顎を持ってかれて…これぞ悲しい話。



追記:
邦題「原点」について考察をしているが、原題はハンガリー語で"Kút"英語で"Well"。
どちらも「井戸」の意味を持つため、映画冒頭の「人生は井戸だ!」という起源不明のジョークに意味があるようである。
しかし、もっと調べると”井戸”には”ガソリンスタンド”の意味が含まれており、原題は単に「ガソリンスタンド」の可能性がある。
”ガソリンスタンド”が他の意味の俗語になっているかまでは分からない。

人生は、湧き立つもの(感情的)しかし、搾取される(物理的)

冒頭の "I Want to Know What Love Is" をぜひ歌詞付きで聴いてほしい。YouTube の自動翻訳でいいので字幕オンにして聞いてみて欲しい。
これが青年ラシの心の叫びだとしたら、このよくわからないつまらない映画がラシという青年のなんとも切ない人生の物語に成り上がる。
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