そーた

紳士は金髪がお好きのそーたのレビュー・感想・評価

紳士は金髪がお好き(1953年製作の映画)
3.4
S字曲線

男の変な意地として、
みんなが可愛いともてはやすものを、
突っぱねて格好つけてみたくなることってある。

マリリン・モンローなんかに、
俺が魅了されてたまるかって、
意地をはって見たこの作品。

よっしゃ!

がっつり、
彼女の魅力の虜になってしまいました。

高価なティアラをせしめようと富豪にたかる性悪な女なのに、
その悪びれない純粋な富への固執がダイヤモンドのように輝いて見えるのは、
マリリン・モンローという女優のもつ魔性な魅力が余すことなく作品に注がれているからなんだろうな。

と、理性的に分析してしまうのは、
男としての悲しいプライド。

内実は、そんなんどうだっていいの!
かわいければそれでいい。

劇中で彼女に魅了される男共と同じスタンスで彼女に釘付けになってしまう。

共演のジェーン・ラッセルも色気があっていいんだけれど、
二人でのミュージカルシーンでは、
やはりモンローに目がいってしまう。

その目線の先には、
彼女のしなやかなS字曲線がある。

古代の直立不動だった彫刻に生き生きと自然な雰囲気をもたらしたコントラポスト。
それが徐々に強調され出来たS字曲線は親しみや躍動感を絵画に与えた。
そして、現代のエンターテイメントにおいてそのS字曲線はもはやエロさを表現するに至ったのだ!

なんて、説明があっても良さそうなくらい、マリリン・モンローの体の使い方がほんとに素晴らしい。

そして、恐らくそれを意識的ではなく、
女として無意識にやっていそうなところが魔性なんだな。

なん百年もかけて編み出されたコントラポストを、
いとも簡単に本能でもって圧倒的なエロスに変換してしまう類い稀な能力を備えた50年代を代表するセックスシンボルが放つ、
いかにもアメリカらしいエンターテイメント。

男に生まれてよかった~。

そう思えるほどに威力抜群な作品だったけれど、
あれれ、中身はあんまりなかったなぁ。

まいっか!
そーた

そーた