柊

赦しの柊のレビュー・感想・評価

赦し(2022年製作の映画)
3.2
ものすごい強烈なフライヤー。この雰囲気だけでこの子ただもんじゃないと思わせる。少しモトーラ世理奈にも似ている。
で、これは観たいなと思っていた。

が,しかしこの圧倒的なフライヤーを超える程の脚本では無かった。人物の掘り下げがあまりにも浅い。特に被害者遺族の夫婦が1ミリも共感できない。芝居って言うのはやはり人と人とのアンサンブル。芝居が悪い方へ悪い方へと流れていき、こんな両親嫌だなってしか思えなかった。
おまけにさっさと再婚している相手にしても、カウンセリングで知り合ったらしいが、寄り添い方が薄っぺらい。とにかく誰一人として芝居に納得のいく人がいなかった。何でみんなこんなにも下手?加害者役の子,圧倒的なビジュアルなんだから、「教誨師」の玉置玲央くらいの芝居は期待したがちょっと力不足。でも多分新人だから許す。
そこら辺をカバーして欲しいその他の人々なんだけど…どいつもこいつもだ。真矢みきに至っても何だよ〜その芝居。って感じです。
音声は無かった高校時代のイジメのシーンの方がまとまっていてから大人よしっかりしてくれ!って思った。
低予算であろうとやっぱり芝居の上手い人にこの手の話はやってほしい。じゃないとリアル感がどんどん遠のいて行く。

被害者の両親があんなだし、母親失格って嘆いていたから,きっと子どもをちゃんと見てなかってんだろうなぁとか,作家気取っている父親も全く作家に見えないし…何だかなぁでした。
事件から7年経っていて,当時の娘の年齢は高校生。いったいこの親の現在の年齢はいくつなんだ?と思うくらい人として未熟。年齢設定に説得力が無いし、事件後の葛藤もほんとに薄っぺらい。

おまけに弁護士も裁判官真矢みきすら下手さが目立って,脚本も悪ければ監督の感覚も???な演出で残念だ。

演技は未熟だけど,松浦りょうの存在感が際立っていたからこそもっと小品でもピリリとした作品にしてほしかったな。
柊