Taku

クイーン・オブ・ダイヤモンドのTakuのレビュー・感想・評価

4.0
『クイーン・オブ・ダイヤモンド』
動きのないFIX長回し(個人的に苦手)で切り取られる彼女の日々を傍観するしかない故に面白くはなかったが…彼女が住む団地と対比されるように反復される、煌びやかなカジノで無機質に仕事をこなす姿がドラマ性を排された撮影と同期、その上で迎えるラストカットが素晴らしかった。
ポスターになっている燃える木をただ見つめるカッコいい場面は異様に長かった気がするが、同じく異様に長いカジノでの場面との対比にもなっていて良い。
所謂「漂流する女性映画」の文脈で考えたい一本で、『ジャンヌ・ディエルマン』に対する一種の回答と言われているが、確かにという感じ。あと『冬の旅』『WANDA/ワンダ』とは違って、初めから社会を拒絶しているわけではなく、そこには彼女の強かさも感じた。この三本はニナ・メンケスのお気に入りらしい。
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