Kaji

バレリーナのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

バレリーナ(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

フィルムっぽい質感からイカついアクションまでハマってしまうチョンジョンソ俳優の潜在的魅力ったらない。

怒りに任せて復讐するダークヒロインではなく、あくまで友情(愛情)のために尊厳の破壊を徹底的に許さずそっくりお返しする肖像には爽快さすら感じました。

追い詰められてもこの後に及んでまだ、自死を選ばざるを得なかった人を侮辱するクズを演じたキムジフン氏、類まれなるゴージャスさでランボルギーニが似合いすぎでしたね。前作「その恋断固お断りします」とのギャップがすごい。

語弊がございますが私は火炎放射器が出てくると大体傑作扱いをしてしまうのですが、海辺で焼き尽くされる搾取者の構図は中間のなさがキャラクターを強化していて正直かっこよかったです。

武器屋のオルシンたちも最高っしょ。

「ビー・デビル」「マッドシスター」「悪女」から「楽園の夜」「パーフェクトドライバー」「キルボクスン」まで韓国ノワールの中でもアクションヒロインの肖像が盲目的な動機から自我、他者愛へと変遷しておりますが、バレリーナではビッグファイトの後もヒロインの人生が続くであろう余韻と抱えなければならない喪失が物悲しく、暴力の果てにも帰ってこない人がいるというラストは孤独感と弔いが深海で踊る比喩的なカットと連動していたように思います。


キムジフン氏とチョンジョンソ氏は「ペーパーハウスコリア」で共演していますが、その時も2人ともかっこよかったです。
でかい武器が似合う。。。
Kaji

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