世評通りなかなか面白かったのだけど、何だかAppleの壮大な長編宣伝広告のようにも思えた。制作はAndroidの雄、ソニー・ピクチャーズなのに。
前作ほどストーリーは凝ってなく、シンプルなぶんそれはそれでわかりやすいのだけれど、どうしても斬新さや驚きは薄れた感じがする。
主人公がデジタルネイティブ世代のティーンとなり、iPhone、MacBook、スマートウォッチ、防犯カメラなどのハードウェア、SNSを始めとする各種ソフトウエアを自在に駆使しており、そこは前作から一段とスケールアップしている。
この手の映画を観ると劇中の着信音とリアルとの区別がつかず、ついつい自分のiPhoneを見てしまうのはあるあるじゃないかなぁ
トランスフォーマー・シリーズでは観客の動体視力が試されるように、本シリーズではITとの親和性、デジタルリテラシーを試される。シャッターを切った瞬間の前後1.5秒を動画で録るLive PhotosってAndroidユーザーは分かるのだろうか。シャッター音が小さくなるのでこの機能をよく理解しないままデフォルトで使っているリアル友人の無防備な様子が楽しい。
ただ、前作でも感じたことだけど、パスワードっていくらなんでもそんなに簡単にわかってしまうものだろうか、という根本的な疑問がどうにも拭えないーーもちろん「それを言っちゃあ、おしまいよ」ではあるのだけれど。
さらに言えば、時代は本人以外突破できない生体認証を使うパスキーに次第に移行するだろうから、このシリーズはあまり続かないんだろうなぁ