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ジョーンについてのカネコのレビュー・感想・評価

ジョーンについて(2022年製作の映画)
3.4
"記憶は作られる"

という語りかけから始まる1人の女性の物語。ジョーンはかつての恋人と偶然再会してから自分の人生を振り返る。

思い出はいつも美しくて眩しい。
そんな前半は若い頃のキラキラした恋愛の話。
アイリッシュパブでオペア(海外の家庭で住み込みで働くプログラムの事。オペア留学。)のドゴール(フランスの元大統領・政治家)に夢中なホストファミリーについて話したりさりげない会話で状況を説明するのがフランス映画っぽい🎬
産毛がきらめくラブシーンも良。

ただ、ジョーンの恋人ダグが普通にクズで。最初の出会いからにやにやしながらスリしまくりだし全然魅力的に見えなかった。
歳とってからの再会も別人並みに劣化してたし。なんならジョーンも不審者だと思ってたし。
ジョーンもジョーンで若気の至りだったのかそんなダグに夢中で出会ってすぐに私たちずっと一緒よね💗とか言ってみたり。

そんな経験値の浅い恋愛はやっぱり上手くいかずジョーンはシングルマザーになり息子を立派に育ててながらも社会的にも成功する。
この辺りELLEのミシェルに似てる。でもジョーンの方がもう少し感情があって人間らしい。

今作はメタ的な視点で描かれていてジョーンの記憶とその時の感情で再構築された、まさにジョーンが語るジョーンについての物語。
なので母親が日本人男性と駆け落ちする時の北斎の蛸と海女風の絡みや母が日本語で気持ちを独白するのはジョーンの心象風景だと感じた🐙着物左前だしね。現実じゃない。ただ単に間違えてるだけかもしれないけど。

もう一つジョーンが作った記憶の存在がすごく切なかった。ここはネタバレしないでおく。彼女はずっとそれを拠り所にして気丈にそして必死に乗り越えて来たんだと思ったら泣けた。

メタ的なカメラ目線が結構多いけどその全てが成功している訳ではなく、ティムのカメラ目線は無くても良かったかな。
これはジョーンについての物語だからティムは蛇足な感じがした。

それにしてもイザベルユペールは70歳?おそらく40代の時代も演じていて流石でした。
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