TakahisaHarada

終わらない週末のTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

終わらない週末(2023年製作の映画)
3.8
何かとんでもないことが起きてるけど、群衆のパニックは描かれないし、事態の原因も明示されない不気味なディザスター映画。

タンカーの座礁、飛行機の墜落、自動運転車の暴走とどれも引き込まれるような派手な描写があって、動物の異常行動まで描かれるのだけど、通信がダウンしているせいで全貌は掴めなくて気味が悪い。アマンダの「人が嫌い」に加えてG.H.とルースの登場でゾンビ映画でよくある「一番怖いのは人」的な展開になるのかなと思ったけどそうもならず、ラストでG.H.から仮説の提示があるだけで、そのまま最後まで駆け抜けるの驚きだった。

終盤、出会って以来犬猿の仲だったアマンダとルースが鹿の襲撃をきっかけに連帯する描写がある。同時にG.H.が語る仮説も合わせて、「共通の敵がいれば人々は連帯できるが、敵の正体が曖昧なときが恐ろしい。連帯どころか対立を生む可能性もある」というメッセージだったのかなと思った。

アマンダとG.H.の極限状態でのダンスはハリポタ死の秘宝PART1っぽくもあったな。(他にパートナーがいるというのも含め)
「フレンズ」観てないから分からないけど最終回の内容が何かリンクしてたりするんだろうか…ルースが言っていた「存在しない時間を懐かしんでも意味がない」のは平時の話で、ラストのような状況下では存在しない時間を懐かしむことにも意味があるという終わりだったのかな。