アレックスとチュパの烏丸メヰのネタバレレビュー・内容・結末

メキシコのUMAチュパカブラ、という題材をかつてないほど愛らしく描いた異色の作品。
一昔前の流行や、メキシコならではのルチャ・リブレ、アレブリヘ、スペイン語の音楽、屋台料理が物語を彩る。

主人公の少年だけでなく、おじいちゃん、いとこの姉弟といった主要登場人物もみんな可愛らしく、おもしろく、愛着がわく。


“翼がある”
“吸血生物である”
といった都市伝説のチュパカブラ像を活かしたチュパの仕草や見せ場があるが、個人的にクライマックスに持ってきたのが前者(少年の為に初めて飛べるようになる)だったのは「せっかくのチュパカブラモチーフ」として少し残念ではあった。
(某モンスターゲームでまんまこれ系のシーン見たばかりだったから余計に印象が弱まってしまったのもあるか。これは映画のせいじゃないので当然★には反映させていません)

後者の属性である“血を吸う”という特徴を、劇中で少年の傷口を啜ったあとに傷が治る描写から派生してこれを掘り下げてクライマックスに持ってきて欲しかったな。
大怪我した少年の傷を、チュパカブラが人々に恐れられる能力である“吸血”でふさいで助ける……とか。

でも、そうすると子供が観るにはグロテスク過ぎちゃうだろうから、ヒロイックなあのクライマックスにしたのも作品の可愛らしさ・家族で楽しめる冒険活劇のしては最高に大正解なのかも。