アキラナウェイ

レプタイル -蜥蜴-のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)
3.4
ベニチオ・デル・トロは稀有な俳優の1人だ。プエルトリコ出身の彼は、イケメンだったり筋肉質だったりスリムだったりする訳ではない。でも、めちゃんこカッコ良いのだ。その眼差しからビームでも出ているのかと思う程に只ならぬ雰囲気と色気が漂う。

そんなベニチオ・デル・トロの魅力「は」存分に楽しめる作品。

アメリカ、メーン州のスカボロー。不動産会社で働く女性サマーが、売り出し中の豪邸で何者かに惨殺される。第一発見者はサマーの恋人であり、その不動産会社社長の息子ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)。市警のトム・ニコルズ(ベニチオ・デル・トロ)が捜査を進めると、他にも容疑者が捜査線上に浮かび上がり—— 。

前述の通り、ベニチオ・デル・トロが何せ渋いィィィ!!そしてお久し振りのアリシア・シルバーストーン。「バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997)以来だよ見るの!?トムの妻役と年齢相応の配役だけど、お顔は今でも若い頃の面影が。ジャスティン・ティンバーレイクも、すっかり役者業として板がついてきた。

…とキャスティングについてはそれなりに盛り上がるものの…。

容疑者が一旦捜査線上から消えた中盤での中弛みが残念。その中で伏線がちらほら見えるもののテンポが遅く、集中力は途切れがちに。終盤、事件の黒幕が判り始めてからは再びゾクゾクし始める。

どうやら監督のグラント・シンガーはサム・スミスやアリアナ・グランデのMVの演出を手掛けてきたそうで、彼にとっては長編映画デビュー作なんだとか。なるほど、色々とお察しします。

エンディングで、ボブ・ディランの「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」が流れて、沁みた。

うん、つまりはMV向きの監督さんだね。
120分以内に纏めてくれていたら、グッと面白くなりそうなだけに残念。