グラッデン

マエストロ:その音楽と愛とのグラッデンのレビュー・感想・評価

4.2
世界的な指揮者、音楽家であるレナード・バーンスタインと、その妻の歩みを描く。

『ウエスト・サイド・ストーリー』等の舞台音楽、テレビ出演といった多岐に渡るマエストロの活躍を伝える伝記映画、ではなく夫婦の複雑な感情が絡み合う男女の物語。

何割かの鑑賞者は『TAR/ター』との連続性を強く感じさせる際どい描写と、傷つきあいながらも寄り添う夫婦の描写が交互に展開されることに困惑した。が、美談と暴露を双方に描くことが実はフェアなのだと思ったりする。

ブラッドリー・クーパーは主演としても見事に勤め上げたと思うが、本作に関しては監督・プロデューサー等の製作側としての手腕も高く評価されそう。クレジットに大御所たちが名を連ねているところを見ると彼に対する信頼と期待も感じる。

なお、作品世界の時代を意識してか?画面サイズはコンパクトだが、オーケストラの演奏場面を含めて音楽が要所で助演する作品だけに音響的には映画館がベストな作品だと思う。配信作品の先行劇場公開はアカデミー賞対策ではあるが、アクション映画とは異なる意味でフォーマットのミスマッチを強く感じた。