れん

マエストロ:その音楽と愛とのれんのレビュー・感想・評価

4.5
レナード・バーンスタインの半生を描きながら家族への愛、そして妻フェリシアの物語を奏でていく。とにかく主演、監督を務めるブラッドリー・クーパーの才能が炸裂している凄み、フェリシアを演じるキャリー・マリガンの聡明かつ儚げな存在感が素晴らしい。時間とともに表情や声色、接し方が変化していく重層的なグラデーション表現もお見事すぎる。気持ちが徐々に高揚していくミュージカル演出もダイナミックで解放感のある映画的気持ち良さに溢れている。夫婦として互いに愛情を確かめ合いながらもフェリシアが抱える苦しみや痛みは肥大していく。トレンチコートに包まれるような安心する匂い、愛情を感じながら癒されたいと願う。2人の素敵で特別な関係性、繋がりの強さがより儚さを強調させる。
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