れん

マッドマックス:フュリオサのれんのレビュー・感想・評価

5.0
怒れる神話の大きくて深い悲しみと生きる希望へと繋ぐ強い願い。連続性のあるアクションによって構築された語り口で走り抜けたフューリーロード、それを更に神格化、伝説化するかのように物語、フィクションを強く意識させ、じっくりと雄弁に語り抜ける見事な前日譚。徐々に高鳴る鼓動、虎視眈々とふつふつと湧き上がる怒りを溜め込むフュリオサ。復讐の彼方へと導かれるように向けられる鋭い眼光。その先の無力感、絶望希望。ジョージ・ミラー監督が語り継ぐ悲哀に満ちた物語、世界観で生きる魂たちの脆くて強い狂いは多層的な豊かさで埋め尽くされている。アニャ・テイラー=ジョイから静かに発せられるエネルギーの熱量が直結させる明確なフュリオサに拍手。語りしろ、見どころの多い世界観がもたらす更なる物語の広がりにゾクゾクする。
れん

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