ひろぱげ

マエストロ:その音楽と愛とのひろぱげのレビュー・感想・評価

3.2
歴史に残る大指揮者にして、多彩な作風の天才作曲家、そして名ピアニストであり偉大な音楽教育者だったレナード・バーンスタイン。妻フェリシアとの出会いから別れまでを中心に描く伝記映画である。

監督・脚本・制作・主演の4役をこなしたブラッドリー・クーパーが、カズ・ヒロの特殊メイクもあってバーンスタインそっくり!時々本人が憑依したかと思うくらい似せてる。(晩年の、若手を指導しているシーンなんかは、ジェスチャーが本人そっくり。)

しかし映画そのものとしては可も無く不可も無くといった感じ。
思ってたよりホモネタや指揮シーンが少なくてちょっと物足りなかった。
人物の掘り下げももうちょっとあった方が良いんじゃないかな。レニーが人たらしで愛されキャラの極みだってことは伝わったけど。

指揮は、ブラッドリー・クーパーが熱演しているものの、やはり正式な指揮法に沿っていないというか、「これじゃ演奏できないな」って感じなんだけど、例のロンドンの大聖堂でのマーラー「復活」はやはり感動的で、このシーンはバーンスタインらしいアクションも全開でとても良かった。

あと全編に渡って作曲家としてのバーンスタインの作品が使われているんだけど、エンドロールで最初に流れる「チチェスター詩篇」の第2楽章は個人的に大好きな曲で、これはちょっと嬉しかった。この純粋無垢な美しさと、俗っぽい派手なアクション、ノリノリの盛り上がりの併存こそ、バーンスタインそのものって感じ。

それにしても煙草吸いすぎ!(バーンスタイン本人がめちゃくちゃヘビースモーカーだったわけなんだけど)
これじゃあ奥さんも本人も肺がんになるわな・・・。
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