まだ自分たちが小さかったあの頃の真夜中、理解が及んでいなかっただけで本当は自分の周りを悪が蠢いていたとしたら。
天井の隅や暗い階段などに漠然とした例えようのない恐怖を感じてた人には中々にトラウマを思い出させてくるはず。夜更かしをしている幼い姉弟の周りで起こる不可解。言ってしまえば特別何かが起こるホラー映画ではないのでハマらない人はとことんハマらないやつ。荒いフィルム粒子の揺れが何かを強調しながら、まるで何かが表情を変えている様にも見えてくる。「頼むから来ないで」が100分続く恐怖で体が強張るのでかなり疲れる。それでも見続けなきゃいけないし、仮に夢遊病に意識があったらこんな感じなんだろうなと思った。ここまで振り切ってくれるホラー映画の存在は非常にありがたい。