“韓国アニメセレクション”というのをシネマートでやっていて、趣きの違う5作品(ほぼ、ちょっぴりダークめ)を日替わりで上映中。
その中で、時間がちょうど良かったのがこれ。…というか、これが観たかった。なんだか不穏な感じに惹きつけられて…の鑑賞。
月曜日の仕事終わりに劇場へ。
タイトルとあらすじから、物語の大筋は想像がつく。(Filmarksではジャケがないのが残念!)観る側に衝撃を与えるには十分な題材で、それを狙いとするならば、よく取り上げられる題材かも知れない。
ただ、アニメーションであることで、その衝撃が緩和されているとも言えるし、作画であることで自由に表現出来るから、人物の顔の造形(特に気持ち悪い系)の描写などは、うえっ…となるものに仕上がっているとも言える。(それでもやっぱり実写には敵わないか)
ある小さな村には、知的障害者であるウンシルという女の子がいた。彼女はある日、ひとりで赤ん坊を産んだあと、死んでいた…。
ここから物語が始まる。
ウンシルを学生時代から気にかけていた優しい女の子イネが、この事件をキッカケに、その死の背景にある村での出来事を明らかにしていく…
まあ、悲劇です。絶望です…。いわゆる“トガニ系”のような感じだけど、山下敦弘監督の『松ヶ根乱射事件』によく似ている。
この『密事 閉ざされた村』は、赤ん坊が生まれて物語がスタートする。一方、『松ヶ根乱射事件』は赤ん坊が生まれて終わる。
閉鎖的な村、知的障害者、村人の異様な感じ、男たちの欲望…
そういうことです。
観ていて違和感を感じたのは、いくら身寄りのないウンシルでも、あまりにもその死そのものが疎んじられていたこと。イネですら、赤ん坊の親は誰か?に固執していて、ウンシルの存在は完全に消されていた。
それがこの村の異様さなのだろう。
いかにも韓国🇰🇷らしい作品で、ずど〜んと重い後味を残す作品でした。70分の短い作品ではあるけれど、それなりのインパクトはありました。
タイミングが合えば、2月9日までの上映終了までに他の作品も観たいなぁ。