ShinichiAndo

コット、はじまりの夏のShinichiAndoのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
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家にも学校にも居場所がない寡黙な少女が、ひと夏を過ごした親戚の家で“思いやり”を知ることで、ほんの少しだけ自分の気持ちを伝えることができるようになるまでの物語。その気持ちをアピールするための手段が言葉ではなく、繊細な描写が伏線となって、大きな衝動へと繋がるところが映画的でとても良かった。

やさしくて頼りになる親戚の夫婦も、傷ついた過去や秘密を抱えていることを知り、その“痛み”を共有したことで、主人公コットの表情や言動が少しずつ変化していく。その繊細な成長を演じた少女コット役のキャサリン・クリンチの“言葉に出さない沈黙の演技”が素晴らしかった。
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