ひとりの少女と初老の夫婦との、ひと夏の思い出が描かれた物語。
この世で一番好きな映画は、子どもが楽しそうにしている映画。
この世で一番嫌いな映画は、子どもが悲しそうにしている映画。
なんと、本作品では、その両方を同時に体験出来る映画でした。
で、、
すっげえ良い映画だった。
それだけを先に言いたかった。
そんで感想は以下ネタバレで。
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鳥の囀り、川のせせらぎ、木々と風とが奏でるハーモニー、家畜たちの鳴き声、人が草を踏みしめる音、デッキブラシの音…
音楽をほとんど使わず、こんなに耳に美しい映画って、これまでにあったか?
木漏れ日も、井戸に映るあどけない少女の顔も、お風呂の石鹸の泡も、こんなに素朴な被写体なのに、こんなに目に美しい映画って、これまでにあったか?
髪を解くブラシ、たった一枚のビスケット、チョコアイスを買うためのお小遣い、新しいワンピース、普通ではなんでもない物だけど、、、
こんなに人の心の美しさを映した映画って、これまでには無かっただろ!
なんて美しい映画なのか。。
で、この映画は、まるで子どもの頃の夏休みの気分だった。
夏休みの終わりが近づくに連れ、なにか心にモヤモヤ感が増す。もう直に夏休みも終わってしまうのか、、と。
それと同じで、この夫婦と少女の何気ない日常を、ずっと見ていたかったのに、、
だけど、夏休みは終わってしまう。
そして、映画も終わってしまう。。
ずっと見ていたかったけど、終わってしまった。。。
だけどね、、
少女の心に刻まれた死ぬまで忘れ得ぬ夏の思い出と同じくらいに、、
この映画は、自分の心にも深く刻まれたよ。
死ぬまで忘れないよ。
心の底から思った。
これは、良い映画だ。