このレビューはネタバレを含みます
ラストのあと、コットがどうなるのか心配でならない。
自分の中の現実的な部分は、このままどうもならないだろう。それでも、安心できる場所を知り、人をどうやって大切にしたらいいのか知ったことはコットの未来を変えるだろう…と、言うし、楽観的な部分は、いや、きっとすったもんだの後、アイリンとショーンと暮らせるようになるだ…と言う。
でもきっと、ラストの後がこの映画の大事な部分ではなくて、ラストのコットの行動が一番大切だったんだね。
以下長文の蛇足………
途中のテレビで流れた母から娘へと代々受け継がれるキルトのこと。
思い返せば、冒頭のおねしょで汚してしまって干されていたのは同じようなキルトだった。おねしょをして隠れていたコットにお母さんがかけた言葉は優しい言葉ではなかったけれど、おねしょについてでも叱責でもなかった。
コットが帰ってきた時の様子と言い、お母さんはコットを愛してはいるんだろう。
コットが言う母親の言いつけは、常識外れなものではないし。
とにかくどうしようもなく余裕がなく手間をかけてやることができない。
親父はクソですが、車で去る時のなんとも言えない表情と、的を得ているような得ていないような「火の中に飛び込むなよ」という言葉は、ほんの少しだけ愛はないことはないんだろうと思わせる。ただしこの人は親になっちゃいけないやつには変わりない。
悪意のある噂や悪口やゴシップが大好きなおばさんといい、嫌な大人のグラデーションがリアルで、何もかも白黒はっきりさせないのも好きでした。
まあ結局、世の中大変だけど、なんとかかんとか善意を拾って生きていくしかないんだなぁ。
