スコセッシフォールド全開

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスターのスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

4.9
懐かしむ、名作を劇場で、もそうだけど『タイタニック』は、わざわざ映画館で見る意味がある作品なのが素晴らしい。ロマンチックな印象が強かったけど、そういえば迫力満点な作品だったことを、初めて映画館で鑑賞して確認できたのが嬉しかった。
海、暗闇に対する恐怖。映画館の音響が煽り立てる。水に重さがある、水圧がある。身動きが取れない。透き通る宝石のような美しい水。綺麗なはずなのに怖い。
カットがかかる毎に加速的にかさが増えている。もう腰?もう首?意外と見落としていた演出。
一人ひとりの甲高い叫び声をキャッチして耳を塞ぎたくなる。『NOPE』もそうだった。大勢バシャバシャしてたはずなのに数分後沈黙している地獄絵図。梨泰院の事故を思い出す。
誰も聞いていない吹奏楽団の演奏。雰囲気を作っているのは音楽だと。からの『天国と地獄』
激しい発光と爆音で轟くSOS信号花火ロケット。絶対に助けが来る、という安心感がある。ズームアウトしていくと世界最大の蒸気船タイタニックが大豆サイズになり、当たりは漆黒の闇。大西洋規模で見ればタイタニックは心細い既成事実に驚く。孤独、絶望を映す描写として大正解。ドルビーシネマの恩恵をここで。みんな落ち着いて、とは到底言えない。ボートに乗れなければ終わり。
基本どの映画にも思ってるけど3Dである意味はよく分からなかった。