レナ

パスト ライブス/再会のレナのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.5
試写会で鑑賞しました。

長い初恋が終わるまでの物語。ちゃんと終われた時は、寂しいけどすっきりしちゃった。

「イニョン」(日本語では「縁」が一番近そうだけどそれとも微妙に異なっていて、前世の繋がりを表すそう)に象徴される、内省的で感傷的なラブストーリーは、私自身はあまり見ないけど韓国や日本のドラマにも通じるところがあるなと感じた。再会したら何かしら肉体的な展開になることがアメリカのドラマ作品では多いけど、この作品は2人の間に(physically or mentally)距離をずっと感じるような作品だった。
女性はカナダ→アメリカへ移住し自分のキャリアを切り拓き築いている一方で、男性は韓国で平凡な生活を送っているのが対称的。初恋を引きずっているのも男性のほうで、けれど彼らが歩んだこれまでの人生が違いすぎてこれは絶対うまく行くことはないなと確信しているからこその切なさがあった。

けどArthurの前で2人で韓国語喋るシーンはええ?と思った、あまりに幼稚すぎる…。せめて彼のいないところでやってよ!
ArthurがNoraを理解しようと韓国語勉強したりちゃんと彼女の初恋相手に会おうとしたりしてて、彼の葛藤が一番心にぐさっと来た。逆にTeo Yooの人物像があまり解像度高くないなと感じてしまった。

変にアジアらしさみたいなものを押し出してない感じは好感を持った。一方で12年という月日が文字だけでパッと過ぎてしまうのでその重みが感じづらい点は残念だった。
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