レナ

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女のレナのレビュー・感想・評価

3.8
ヴァンパイアものは好きで結構見てきたけど、また1つ好きな作品が増えた!

モノクロの画面に映し出されるのは、殺伐とした工業地帯。ペルシャ語で会話されるが、流れてくるのは英ロックも。はたまた主人公の出立ちはひと昔前のアメリカ映画のよう。舞台である名付けて「バッド・シティ」はどこかに存在しそうで、どこでもない、そんな世界観がまず好きだった。
黒いヴェールを纏ったヴァンパイアの女性のビジュアルも最高で、彼女が殺すのは男性のみ、また物語に娼婦が登場するということも含め深い意味があるのだろう…ここはもう少し考察。
ゆらゆら漂うような物語のテンポ、動と静の緩急もとても良かった。Only lovers left aliveなんかを思い出した。
ヴァンパイアものの中でも、違いのあるもの同士の純愛を描いたロマンティックな物語。台詞が少ないからこそ、2人の視線の交わりにどきどきしたし、感覚・直感の部分が研ぎ澄まされるような作品だった。
それから、物語のキーとなるのがイケメンニャンコなのも最高。邦題は最悪。
レナ

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