すずま

パスト ライブス/再会のすずまのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

filmarks試写会で拝見しました。
アカデミー賞候補にもなっていて、とても気になっていたので、いち早く鑑賞できてとてもありがたかった…

▼全体感想
懐かしのあの人と会った時に昔話しか盛り上がらない感じと、でもやっぱり好きだなぁっていう気持ちって誰しもが経験していると思う。

そんな微妙な心の揺れを、うつろいゆく景色や、街の煌めき、夕暮れの太陽の光というとても素敵な背景の中で描かれた、最後にはぽろっと涙するとてもいい作品だと思った。

見た後も自分の経験を重ねながら、ノラの気持ちヘソンの気持ちを考察したくなるするめ映画だなと思った。
(久しぶりに恋愛映画見て、やっぱりいいわ〜って思った。定期的に摂取していきたい。)

試写会後に登壇された映画ライターのよしひろさんが、「アカデミー候補の中で一番地味!!」って言ってたのがウケた


▼考察と感想
・韓国の保守的な「ねばならない」思想に囚われてるヘソンと、泣き虫だったけど自分の価値観をぶっ壊しながら進んできたノラは、たとえ今世でイニョンがあったとしても、いつかうまくいかなくなったのかなと思う。

・一瞬のときめきにふらつかずに、価値観も仕事も生活圏も似ているアーサーといる方が幸せだと思う(言い聞かせる?)ノラが打算的で強かで最高。

・お互い期待させるようなキスや手繋ぎのようなスキンシップは一切取らなかったし、そういう点がすごくかっこいいなって思った。(ヘソンは遠慮してただけだと思うけど)

・懐かしい!という気持ちの高ぶりでなんとなく…ズルズルしちゃいがちだよね、人って笑

・ノラがヘソンに対して、恋心や会いたいと願っていたのは、アメリカでしくしく泣いてた学生の時だろうか。

ヘソンも近くにいないし自分でなんとかしないといけないし、頼らなくても生きているほど強くなったことで、もう彼女の中で整理がついてしまったんだと思った。

ヘソンはノラときちんと別れてられてないから、変わるきっかけもなくズルズルと、いい思い出だけを時々取り出して味わって、気持ちの整理ができていないのかな、

今回のNYの旅でも、こっぴどく振られた訳でもないし、きっとずっと大切な人、憧れの人としてヘソンの中にノラが居続けるんだろうな…
すずま

すずま