MasaichiYaguchi

パスト ライブス/再会のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.9
海外移住のため離れ離れになった幼馴染みの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いた大人のラブストーリーは、前世での何かの“縁”によってロマンチックな運命が重なった瞬間の心の高なりや、その後に訪れる切なさをエモーショナルに美しく描く。
韓国・ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソンは、互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。
12年後、24歳になり、ニューヨークとソウルで夫々の人生を歩んでいた2人は、オンラインで再会を果たすが、互いを思い合っていながらも再び擦れ違ってしまう。
そして12年後の36歳、ノラは作家のアーサーと結婚していた。
ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れ、2人はやっと巡り合う。
これが長編映画監督デビュー作となるセリーヌ・ソンが、12歳のときに家族と共に海外へ移住した自身の体験をもとにオリジナル脚本を執筆し、メガホンをとっているが、本作では韓国の言葉“縁(イニョン)”がキーワードになっていて、見知らぬ人とすれ違ったとき、袖が偶然触れるのは、前世(パスト ライブス)で何かの“縁”があったからということを意味している。
日本でも馴染み深い「袖振り合うも多生の縁」ということわざをキーワードにした本作は、初恋をモチーフに切なくエモーショナルに琴線に触れてきます。