MasaichiYaguchi

水深ゼロメートルからのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.7
山下敦弘監督が、2019年に開催された第44回四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞を受賞した徳島市立高等学校の同名舞台劇を映画化した本作を観ていると、時代も性別も違うが、当時の葛藤や焦燥感が蘇ってくる。
それでも、この青春群像劇は、そんな私たちの背中をそっと押してくれる。
高校2年生のココロとミクは体育教師の山本から、夏休みに特別補習としてプール掃除を指示される。
水の入っていないプールには、隣の野球部のグラウンドから飛んできた砂が積もっていた。
2人が嫌々ながらも掃除を始めると、同級生で水泳部のチヅルや、水泳部を引退した3年生のユイも加わっていく。
学校生活や恋愛、メイクなど何気ない会話を交わすうちに、彼女たちの悩みが溢れ出し、夫々の思いが交差していく。
脚本は舞台版の原作者・中田夢花さんが担当し、メインキャストには舞台版に引き続きココロ役の濱尾咲綺さん、ミク役の仲吉玲亜さん、、ユイ先輩役の花岡すみれさん、そして映画版からのチヅル役の清田みくりさんら、フレッシュな若手女優たちが参加している。
果たして彼女らは、水のないプールの底から何処を目指していくのか?