大穴

パスト ライブス/再会の大穴のレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.4
余韻が心地よく、遠浅の海のように
いろんな感情がたゆたっている。

12歳で生まれ育った土地を離れ、外国の文化にアジャストせざるを得なかったナヨン(ノラ)。

ナヨンは移住した瞬間に消え、もうずっとノラとして生きてきたんだろう。
外国で移民が暮らしていくには、強くならないといけない。

かたや泣き虫だったナヨンのことを、12歳の感情をまま、心に宿し続けるヘソン。

どうしてそこまで彼女のことを思い続けられるのか。

イニョン 인연
縁、絆、因縁

韓国の方々は、馴染みがある感覚なんだろう。
たしかに韓国ドラマにも、前世が…とか
実は過去にすれ違っていて…とか
そういう題材が多い気がする。

再会の直前、ノラはヘソンの名前さえ覚えていなかった。
記憶の「12歳までの思い出」フォルダに振り分けられていたんだろう。
ヘソンの方は、ずっとデスクトップにノラのアイコンを置いていそう。

かつてはなんのてらいもなく、好きだと即答していた相手。
流れる時間、お互いが身を置く環境、それぞれの試練、タイミング。
全てが合わさって、今がある。

何が最良かはわからない。
それでも大切な人の幸せを願って、生きていく。

一言では説明できない涙に、もらい泣きした。
大穴

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