余韻が心地よく、遠浅の海のように
いろんな感情がたゆたっている。
12歳で生まれ育った土地を離れ、外国の文化にアジャストせざるを得なかったナヨン(ノラ)。
ナヨンは移住した瞬間に消え、もうずっとノラとして生きてきたんだろう。
外国で移民が暮らしていくには、強くならないといけない。
かたや泣き虫だったナヨンのことを、12歳の感情をまま、心に宿し続けるヘソン。
どうしてそこまで彼女のことを思い続けられるのか。
イニョン 인연
縁、絆、因縁
韓国の方々は、馴染みがある感覚なんだろう。
たしかに韓国ドラマにも、前世が…とか
実は過去にすれ違っていて…とか
そういう題材が多い気がする。
再会の直前、ノラはヘソンの名前さえ覚えていなかった。
記憶の「12歳までの思い出」フォルダに振り分けられていたんだろう。
ヘソンの方は、ずっとデスクトップにノラのアイコンを置いていそう。
かつてはなんのてらいもなく、好きだと即答していた相手。
流れる時間、お互いが身を置く環境、それぞれの試練、タイミング。
全てが合わさって、今がある。
何が最良かはわからない。
それでも大切な人の幸せを願って、生きていく。
一言では説明できない涙に、もらい泣きした。