このレビューはネタバレを含みます
フィルマの評価が高かったことと、A24作品ということで劇場へ。女性客が多かった印象。
ユダヤ系の旦那さんがとても紳士。特にバーでは。ただ、旦那さんがいない状況でお酒を飲んだらやばかったでしょうね。そういう意味であの場に大人として立ち会った的な感じでしょうか。内心は穏やかでないのはよく分かる。とても彼女を愛しているのだろうね。
そして、何と言っても12歳の時の初恋のような感覚を24年間も持ち続けている彼の一途さ。これがこの物語の発端。彼女が結婚したら諦めて会いには行かないのが世の大半でしょう。会ってどうするの？ということになるので。後ろめたさを感じてないような天然な彼は、実はとても罪人なのではと思った次第。
映画的には来世で結ばれてほしい的な余韻だけれど、バーで旦那横にいるのに2人で話盛り上がっちゃったらダメでしょ。前日に彼と2人で会いに行っていること自体が、例え旦那OKでも、何かに期待していないかとなるし。ジャケ写真の彼と彼女の座り方にも、2人の性格というか、関係が現れているような…。
ラストシーンの彼女の涙とそれを受け止める旦那。このワンカットがとても良かった。彼の熱すぎる気持ちがあっての彼女の涙でもある。今は何も言わずに泣かせてって感じかな。応えたいけど応えられない。いっそ奪ってくれたら。でも、現実は旦那を裏切れない。世の奥方の共感もそこなのかもしれない。
