じょうじ

パスト ライブス/再会のじょうじのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

気になっていた作品をようやく観れました。

再会したときの言葉にならなさや、向けている視線が、ものすごく年月を感じさせてグッと来た。俳優さんたちの力量素晴らしかった…!
だからこそのラストシーンでした。言葉がないときの方が雄弁すぎた。身体が喋ってる…!

物語の流れ自体は王道だったけど、アーサーにもちゃんと焦点が当たっていて、より豊かに複雑になっていたと思う。
どちらかというとアーサーに感情移入してた。
「駆け落ちするかも」みたいなノラの言葉、冗談だとしてもめちゃぶっ刺さっただろうな…覚悟もしていたんだと思う。

最初のビデオ通話のシーンから、12年分の空白を埋めるように話していて泣けた…。
そこからまた12年が経って、お互いに変化がありながらも、昔の子どもの頃のまま変化しない部分を知ってる二人のやり取り。
「子どもの私はあなたのそばに置いてきた」みたいな言葉の、ノラの劇作家的な語彙が好きだった。

ノラの「韓国的なところに惹かれる」みたいな言葉が良かった。ナヨンの実直さや堅実さは、「韓国的ではない」ノラの心にずっと残っていたんだろうなぁと思えた。

「ノラ」のネーミングはきっと、イプセンの戯曲『人形の家』の主人公「ノラ」から引かれてるのかなとも思う。
親の都合ではあったけど、"韓国"を出たノラが自分の力で野心をもって劇作家として生きているという。
ノラの創作した演劇を観てみたい…!

Past Livesは「過去の多くの人生」で、"イニョン、縁"が物語の軸だったけど、仏教みたいな輪廻転生の考えが根づいていない海外はどんな反応だったんだろうか…!

面白かった!!
じょうじ

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