れおん

フェラーリのれおんのレビュー・感想・評価

フェラーリ(2023年製作の映画)
3.2
ジャガーは売るために走るが、私は走るために売る。1957年、エンツォは窮地に立たされる。息子を亡くし、冷え切った家族仲。その上、会社は業績不振で破産寸前。しかし彼の車への情熱は消えることがなかった。帝王と呼ばれた男エンツォ・フェラーリの情熱と狂気を描くヒューマンドラマ。

レーサーに必要なのは、死線を超える情熱と恐るべき喜びだ。アダム・ドライバーが、エンツォ・フェラーリを熱演する。

レース映像の視覚効果や映像美、物語構成に関して、「映画」としてどれをとってもこだわり抜かれている。ただ、実際の彼が持っていたであろう煮えたぎるような情熱は、映像からは溢れ出てこなかった。『フォードvsフェラーリ』とは、歴然とした差がある。泥臭さを感じず、綺麗過ぎる画には観客の心を動かす力はない。
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