僕たちは結ばれなかったけど前世では運命的な結ばれ方をしたかもしれない。現生において君は「去るひと」だ。そして君の夫は、君のそばに「残るひと」だ。
ひとりの女性の恋愛模様を描くと同時にひとりの男性の自立(初恋からの独り立ち)を描く物語でもある本作は、24年ぶりにニューヨークで初恋の女性と再会を果たし、改めて自分の心にけじめをつけて自分の国へ戻る話でもある。節度のある片想いに見えるものの純粋な想いというのは24年くらいで消える生半可なものではないはず。ずっと胸に抱えながら生きていくしかない。
夫のアーサー役が素晴らしかった。相手の過去を鑑みてそのひとにしかない内面世界を尊重する、しかも相手の言語にまで寄り添う、こんな想像力豊かなで繊細な男性が世の中にいるんだと感心しました。
最後のシーンではもらい泣き。
