セリーヌ・ソン監督作。
韓国系カナダ人のセリーヌ・ソンが自身の実体験に着想を得て撮り上げた米韓合作の恋愛映画で、第96回アカデミー作品賞にノミネートされたことで話題となりました。
12歳の時に離れ離れとなった幼馴染の男女の関係性を描いた作品で、家族と共に韓国からカナダそしてNYに移住した女性:ノラと、韓国に残って兵役と中国留学を経験した男性:ヘソンとの再会と愛のゆくえを描いていきます。12歳で離れ離れとなった男女が、12年後にSNSで連絡を取り合うもすれ違いとなり、更に12年後NYで再会を果たした際の心の機微を見つめた作品で、12歳→24歳→36歳と12年ごとに関係性の転機を迎える男女の行く末を、自由の女神や川沿いの遊歩道、マディソン・スクエア・パーク、ブルックリン・ブリッジ、メリーゴーラウンドといったNYの綺麗な情景の中に映し出しています。
輪廻転生という東洋的な仏教思想を交えて語られる、幼馴染男女の再会とその後を描いた大人の恋愛ストーリーで、“少年期の純粋な恋心を忘れられないまま大人になったら…”という普遍的シチュエーションが観客の共感を呼ぶ作風となっていますし、主演のグレタ・リー&ユ・テオが相手への純粋な想いという“過去”と現実の“現在”の狭間で揺れる男女を自然体に好演しています。