どうにもならなかった誰かを思い出してしまうのは、多分私だけじゃないはず。
苦しくて、切なくて、胸がギュッとなったけど、美しい物語だった。胸に刺さったものが数ヶ月経っても取れないけれど、嫌な感じはしなくて、私にとって大切な映画になった。今年観た映画でトップ3に入る予感だし、これから先もずっと心に残ると思う。幼い頃の宝箱のような、魔法がかかったような、そんな感じの映画。
35mmフィルムの温かみと寂しさが共存する感じが物語に合ってた。好きな彩度の画。
劇中及びパンフレット曰く、「縁」というものは東洋的で、西洋にはない考え方とか。言われてみれば確かに、『タイタニック』や『きみに読む物語』など、西洋の恋物語は「自分の選択」が2人のその後に大きく関わっているものが多いような気がする。
今世で関わりがある誰かは、「今の私」にいきつくまでのたくさんの層で何かがあったから、と思うと不思議な気持ちになる。
24年越しの再会で、やっと別れを言えた2人。永遠にも一瞬にも感じられる時間、ずっと抑えていた気持ちが爆発するようなラスト、ヘソンの「今とは別の縁があるのなら…」という台詞、全部全部美しくて辛い。
知り合いの方に私の思い出の話をしたら、「パストライブスしてますね」って言われて面白かった。パストライブスできた人生ってだけで幸せなのかも。
